中田敦彦さんのランチェスター戦略講義にひとつだけ補足【射程距離理論】

中田敦彦さんのランチェスター戦略講義に補足

こんにちは、ワードメーカー株式会社・代表の狩生です。

あなたはオリラジのあっちゃんこと、お笑いコンビオリエンタルラジオの中田敦彦さんが、ランチェスター戦略に関するYouTube動画を出されているのをご存知ですか?

やっぱり「あっちゃんカッコいい!」

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このYouTube動画はランチェスター界で断トツの再生回数を誇っており、「ランチェスター」とネット検索するだけで上位表示されるほどです。

この動画を見たら、正直「あっちゃんカッコいい!」と言わずにはいられないですね。

それぐらいよくまとまっていて、しかもご本人の体験を元に解説をしている点が本当に分かりやすく、まさに天才!と思いました。

特に、よくありがちな「自分が弱者なのに、強者の戦略を採っていた…」という失敗を、YouTubeチャンネル開設当初の自分のポジション取りやコンテンツ選びと照らし合わせて赤裸々に語っているところが共感を呼ぶとともに、理解を手助けしてくれます。

私はランチェスターをかれこれ10年以上勉強してきているのですが、まだまだ学ぶことだらけだなと思っています。

ですので、分かりやすさピカイチの中田敦彦さんの動画は、あなたにもぜひ一度視聴することをお勧めしたいです。※YouTubeで検索するとすぐに出てきます。

中田敦彦さんの動画にひとつだけ補足させてください

僭越ながら、中田敦彦さんの動画の中でひとつだけ触れられていなかった、でもとても大切な内容があるので、補足させていただきたいと思います。

それは、【強者の定義】のところです。

ランチェスター戦略を学ぶ上で外せないのが、強者・弱者という立場とその定義です。

中田さんの動画では、

強者はシェア26.1%以上の1位

…というように定義されています。しかし、実はこの説明では少し不十分なのです。

なぜなら、シェア26.1%以上の1位でも、強者の戦略を全面的に使わないほうがよい会社も存在するからです。

初めての方にも分かりやすくするために、敢えて詳細を省いて説明をされたのかもしれません。

しかし、このままでは誤解が生じたり、もし強者でないのにも関わらず、強者の戦略を採ったために失敗してしまう人が生じるかもしれない…そう思ったため、今回私の方でもう少し詳しく解説をさせていただけたらと考えました。

シェア26.1%の1位でも、必ずしも強者ではない?

強者になるための条件として欠かせないのが、2位との差がどれだけ離れているか?という視点です。

ランチェスター戦略では、2位との間に1.7倍以上の差があることが正しい強者の条件になります。

10対6以上という言い方も出来ますが、これだとちょっとイメージがしにくいですよね。

そこで、私はルート3の概算で1.7倍以上と覚えています。

√3 人並みにおごれや 1.7320508…

細かい数字は重要ではないので、「2位に1.7倍以上の差」(もしくは簡単にして2倍以上の差)という点だけ覚えてください。

後ろにぴったり付けられているうちは、完全な強者とは言い切れない

難しく考えなくても大丈夫です。

単純な話、自社のシェアが26.1%でも、2位のシェアがもし25%だったら、ほぼ互角ですよね?

※とはいえ、そういう業界はあまりありません。シェアが分散している業界では、26%占有率があれば、ほとんどは強者の条件が整っています。

ちょっと話はそれますが、マラソンで考えてみても、自分が1位の時にもし2位の人が1m後ろに居たら全然安心できないですよね。2位の人は諦めるどころか、死ぬ気で追いかけてくるでしょう。消耗戦になれば、何らかのきっかけであっさり抜かれるかもしれません。

経営においても同じようなことが言えます。

√3(1.7倍)以上という差を付けていなければ、1位の企業も安定せず、収益性も高くはありません。僅差であれば、強者の戦略をそのまま使うことができません。

つまり、「強者かどうか?」という定義には、シェアのパーセンテージだけではなく、【下位の相手との距離】という概念が関係しているのです。

ですから、26.1%のシェアを取れば絶対に強者の戦略!というわけではないのです。

ランチェスター2つの戦い方

√3(1.7倍)を説明するためには、ランチェスターの2つの法則について触れる必要があるため、簡単にですがお伝えさせていただきます。

ランチェスター第1法則(2社間競争)

ライバルと2社間競争(一騎打ちの時)に適用される公式は、

攻撃力=兵力数×武器性能(質)

これが第1の法則です。

ランチェスター第2法則(複数社間競争)

複数社ライバルがいる状態での競争(複数社間競争)の場合、適用される公式が変わります。

それが、

攻撃力=兵力数2×武器性能(質)

兵力数が2乗になるのが第2法則です。

2つの法則を活用したのが、コープマンモデル(クープマンモデル)

√3というのは、必勝数値というものが関係しています。

ランチェスター戦略を分析し、ゲーム理論と組み合わせて導き出したコープマンモデル(クープマンモデル)によると、第1法則において、攻撃力が3:1の差がつけば、勝つことができるというのです。

※上限目標の独占シェア(73.9%)と下限目標のシェア(26.1%)から導き出されたものが「3対1」

しかし、ビジネス上ではライバルと一騎打ち…という局面はなかなかありません。複数社間で競争をすることがほとんどです。ですから第2法則を使います。

複数社間競争の場合、武器性能が同じであれば、兵力を√3(1.7倍)にすれば勝てるということが分かっています。

つまり、ビジネス上では第2法則によるこちらの数字、1.7倍を目指す必要があるのです。

※ただし、局地戦など限定的な市場の場合は第1法則が適用されるので、3倍の差が必要

これは戦争の話に限ったことではありません

攻撃力・兵力・武器といった言葉を聞いて、「また戦争の話?」と思われた方も多いかもしれません。

しかし、現代流に言えばこの兵力数は【営業マンの数】とか、【広告費の大小】などに置き換えて考えることができます。

たとえば、すごく単純な話で、同等のスキルを持った営業マンなら、エリア2位の企業が100人配置しているのなら、1位の企業は170人以上配置すればよいのです。

ビジネス上でもさまざまな活用方法が考えられます。

完全な強者になりきれていない例

たとえば携帯電話の契約数における事業者別シェアを見ると、

1位 NTTドコモ 38.1%
2位 KDDIグループ(au) 27.9%
3位 ソフトバンクグループ 21.4%
(2019年9月末時点 総務省「電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データ」より)

この場合、ドコモのシェアは「2位auの1.37倍」しかありません。

しかもauのシェアも3位のソフトバンクの1.3倍ほど。

2位に1.7倍以上の差をつけることができていないので、シェア1位のドコモは完全な強者ではなく、2位の脅威に少しも気が抜けない状態です。

2位との差1.7倍以上を目指すには?

ドコモのように2位との差が1.3倍程度しかない場合、2位のauにとっては1位を目指せる圏内に入っている状態です。

このような場合は、ドコモは全面的に強者の戦略だけを採用しているのは危険です。

もちろん、シェア自体は38.1%と全体の4割近くを占めている1位ではありますので、基本的には強者の戦略で構いません。

しかし、僅差にはなりますので、マーケットを地域・顧客層(年齢・性別や属性など)・販路など、さまざまな見方で細分化した時、シェアがしっかりと取れていない“自社のウィークポイント”が必ず存在しているはずです。

そういった弱い部分に関しては、部分的に弱者の戦略を取り入れる必要があります。

圧倒的な1位になりたいと思ったら…

「現状はシェア1位でも、2位以下に大きな差をつけることができていない。自分はもしかしたら、強者ではないのかも…」

そういう会社もあると思います。

ライバルに攻め込まれるかもしれない―とハラハラするよりも、一刻も早くシェア1位として安定した地位を築きたいと思いますよね。

そんな時は、射程距離を意識して2位以下を突き放してみませんか?

営業マンの数、店舗数、広告費などの予算、ブログの記事数やYouTubeの動画投稿数など…あなたの会社のパワーを結集して、ライバルの1.7倍を目指すことで、ライバルの射程範囲外に出ることができます。

もちろん、質を高めることも大切ですが、たとえば個々の営業社員のスキルアップを図るというのは難易度が高く、すぐには成果が出ないものです。

だったら、まずは簡単な量的側面から攻めてみましょう。

概算レベルで構いません。

26.1%以上のシェアを取り、2位の企業に1.7倍以上の差をつける…というのが覚えにくければ、「ある特定市場で市場シェアの4分の1以上を取り、2倍の差を付ける」という概算のイメージで覚えてしまっても結構です。

細かいことはあまり重要ではなく、ぴったり後ろに付けられているうちは強者とは言い切れない。

圧倒的な1位ではない会社は、細分化されたマーケットの中での自分の立ち位置を確認しながら、集中投入して成果を出していただけたら思っています。

参考になれば幸いです。

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