(注:写真はアラビアオオカミではありません。希少性が高い種類のためフリー素材では写真が見つかりませんでした。ご了承ください)
こんにちは、ランチェスター経営「戦略社長塾」塾長の狩生です。
経営戦を学ぼう、と思った時。実はけっこう身近なところにも学ぶテーマが隠れていると感じています。
特に、自然界で生きる動物の生態を詳しく知ることで、生き残るための知恵や環境への適応方法など、経営に活かせる内容をたくさん知ることができます。
そこで、「動物の戦略」をご紹介しながら、経営戦略について考えていきたいと思います。
※動画でも解説しています。
アラビアオオカミとは?
アラビア半島南部に生息するオオカミで、イスラエルなどの砂漠地帯に住むことから「砂漠のオオカミ」とも言われています。
NHKのワイルドライフという番組で紹介されていたことをキッカケに、アラビアオオカミの生態について知りました。
気温50度、半年に一度しか雨が降らない砂漠という非常に厳しい環境に生きるアラビアオオカミは、環境に適応するためにオオカミの中で最小の個体であり、耳が大きいという特徴があります。
アラビアオオカミは、群れをなして集団でじっくり獲物を追跡して狩りをする…というオオカミのイメージとは異なり、あまり狩りはせず、2~3匹で行動し、雑食で家畜の死骸を食べたりして暮らしています。
世界に700匹しかいないアラビアオオカミの生き方は、経営戦略として見るとどのような状態なのでしょうか。私は、2つ学ぶ点があると考えました。
1.市場環境に対する規模
餌や水の確保が難しい砂漠地帯において、大きな個体を維持することは容易ではありません。また、熱の影響を最小限にするためにも、アラビアオオカミはオオカミ最小の個体となりました。
これを経営戦略として考えてみると、市場環境に見合ったサイズになっているか?ということです。
市場というのは常に変化するもの。たとえば現在は多くの市場で新型コロナウイルスの影響が出ています。顧客の減少、ニーズの減少があった時、今までの規模で挑んではいないでしょうか?
その時々で、市場環境に適切な規模というものが存在します。
右肩上がりの市場の時にやっていた戦略や売上規模などを、市場が厳しくなったにもかかわらずそのまま通用させようとすれば、上手くいかないのは当然です。
市場環境に対して規模が大きすぎてしまうと、支えきれなくなってしまうので注意する必要があります。
また、アラビアオオカミの特徴である大きな耳も熱の発散効率をよくするためと言われています。
過酷な環境で生きるアラビアオオカミのように、ビジネスの上でも市場環境に合わせて、日々自らのあり方を変えていくということが必要だと思います。
2.あえて厳しい市場に挑む
競争のない未開拓市場のことをブルーオーシャンと言いますが、アラビアオオカミはまさにブルーオーシャンに生きるオオカミと表現することもできます。
アラビアオオカミの場合は仕方なく砂漠を選んだという背景があるようですが、砂漠というライバルが避けるような過酷な環境を敢えて選ぶことで、競争を避けることができます。
未開拓市場に参入する際の注意点として、「補給ができるか?」つまり、経営戦略で言うところの「粗利益の確保ができるか?」という視点が大切です。
アラビアオオカミの場合は、この「補給」の部分があまりに少なかったために絶滅の危機に瀕しています。
あえて厳しい市場を選ぶ時は、「補給ができるか?」というポイントを踏まえて考える必要があると思います。
以上の2つが、アラビアオオカミから学ぶ経営戦略となります。参考になれば幸いです。
経営戦略についてなど、なにかご相談があればお気軽にお問い合わせください。